この記事では、シーリングの特徴や必要性、種類についてご紹介します。
そもそもシーリングは必要なのかどうか、それぞれのメリット・デメリットを知っておくことで、施工時に戸惑うことが少なくなるでしょう。
シーリング(コーキング)とは何か?その必要性について
シーリングとは、外壁同士の隙間やサッシの間などを埋めるための材料です。
サイディング外壁などの場合は、気温によって素材自体が膨張や収縮することがあります。このため素材同士を密着させてしまうと破損する原因となってしまうのです。
とはいえ、隙間をあけてしまうと雨水が侵入してしまいます。この隙間を埋めるために使うのがシーリングです。
なお、シーリングとコーキングは現在では呼び方の違い程度しかありません。どちらも同じ意味という認識で問題ありません。
シーリング(コーキング)の種類と特徴
シーリングは、以下のような種類が存在します。
- アクリル
- ウレタン
- シリコン
- 変成シリコン
それぞれの特徴をチェックしておきましょう。
アクリルの特徴と利用目的
アクリルは、濡れている場所にも使用が可能なシーリングですが、耐久性が低いことで知られています。新築のパネル目地などに使用されることが多いです。
主な使用用途としては、モルタルのひび割れなどがあります。
■アクリルのメリット
濡れた場所でも使用できるというのがアクリルの強みです。また、シーリングの上から塗料を塗れるというのも利点です。
■アクリルのデメリット
耐久性が低いというのは大きなデメリットです。また、使用した場所のシーリングが痩せてしまうため、空洞ができやすいという問題もあります。
ウレタンの特徴と利用目的
硬化した後に弾性があり、ゴムのように感じるシーリング材です。目地やひび割れの補修に多く利用されています。
主な使用用途としては、内装の目地補修、モルタルやコンクリートのひび割れ補修などがあります。
■ウレタンのメリット
耐久性が高いという特徴があります。また、上から塗料を塗ることができるシーリング材のひとつです。
変成シリコンに比べて、価格が安いというのもメリットと言えます。
■ウレタンのデメリット
紫外線に非常に弱いため、シーリングの上から塗装行わなければ問題が出てきます。
また、シーリング充填した後に痩せる傾向があるため、空洞ができやすくなります。
シリコンの特徴と利用目的
非常にコストパフォーマンスが高いシーリング材で、一般的に使用されている種類です。価格と耐久性に優れていますが、使いどころを間違えると大きな問題を引き起こすシーリング材でもあります。
主な使用用途としては、ガラス周辺や浴槽などがあります。
■シリコンのメリット
非常に耐久性に優れており、価格も安いというメリットがあります。
また、プライマー(下塗り用塗料)なしでも充填できるなど、密着性が強く乾燥も早いです。
■シリコンのデメリット
最大のデメリットは、シリコンのシーリングの上からは直接塗装ができないという点です。
シリコンは常に油がにじみ出ているため、塗装をはねのけてしまうという特性があります。
変成シリコンの特徴と利用目的
シリコンとは異なり、塗装が可能なシーリングです。耐候性などの面でシリコンには劣りますが、柔軟性があり金属類に使用することもできます。
サイディング外壁の場合には、目地のほとんどが変成シリコンです。
主な使用場所としては、内装や外装の目地があります。モルタルやコンクリートのひび割れ、タイル目地などにも使用されています。
■変成シリコンのメリット
様々な用途に使用できるというメリットがあります。
シリコンとは異なり、塗料の上塗りが可能というのも大きな利点です。
ただし、ウレタンほど塗料が密着するというわけではありません。
■変成シリコンのデメリット
シリコンと比較した場合、価格がやや高いという難点があります。
また、塗るためには下塗り剤であるプライマーが必須となりますので、シリコンのように簡単にくっつくというわけではありません。
まとめ:外壁用はほとんどが変成シリコン
サイディング外壁の場合、各素材の間に隙間を空けてから貼っていきますが、この隙間を埋めるために必要なのがシーリングです。
一般的に使用されるシーリングとしては、「変成シリコン」が有名です。使用用途が幅広いため、サイディング外壁に利用されているほとんどが変成シリコンです。
一方でシリコンは、ホームセンター等で手軽に手に入るため、DIYで外壁を補修しようとする人が間違えて購入することが多いですが、用途が限定的なので注意が必要です。