塗料の種類に「ガイナ塗料」というものがあるのはご存知でしょうか。
一般的にはあまりなじみがありませんが、「ガイナ塗料」の開発にはロケット開発でおなじみのあのJAXAが関係しています。
JAXAと聞くと高性能な製品というイメージが浮かんできますが、「ガイナ塗料」とは一体どんな塗料なのでしょうか。
今回は外壁塗装「ガイナ塗料」の特徴とメリット・デメリットについてわかりやすくご紹介させていただきます。
ガイナ塗料の特徴と概要
「ガイナ塗料」を民間で初めて開発したのは東京都板橋区に本拠を構える「株式会社日進産業」という塗料メーカーです。
日進産業は平成12年頃にセラミックパワーを持つ、塗る断熱材といわれた「シスタコート」というそれまでになかった特殊な塗料を開発します。
「シスタコート」はあまりにも高い断熱機能を持つことから、日本の宇宙航空研究開発機構JAXAに採用されます。
JAXAは「シスタコート」の技術をさらにバージョンアップすることに成功します。その技術はロケット先端部に塗るための断熱材技術に応用されます。
すると今度はJAXAが開発した「ロケットにおける断熱材技術」が逆に日進産業の方に実施許諾されます。
日進産業はさらに研究開発を続け、平成18年にワイドレンジな温度帯に対応可能な高機能塗布式断熱材「ガイナシリーズ」を完成させます。
実は「ガイナシリーズ」はJAXAのすすめる宇宙研究の技術を民間へ転用するプロジェクトの認定第1号の製品でもあります。
また「ガイナシリーズ」開発のヒントは日進産業社長の石子達次郎さんが「黒い紙は暑くなるけれども白い紙は暑くなりにくい」というひらめきが「ガイナシリーズ」の開発のきっかけになったといわれています。
「ガイナ塗料」の特徴は、特に「断熱効果」や「遮熱効果」が高いことです。
また特殊な塗料のため製造するにも時間がかかり、使用期限も短いという特徴があります。さらにお値段も一般的な塗料に比べるとお高いということもあります。
ただしその性能の高さは最先端のロケット技術からの応用であり、ご利用者様の満足度に関しては間違いなく期待ができるといわれています。
ガイナ塗料の強度・耐用年数・耐久性
こちらではガイナ塗料の強度・耐用年数・耐久性についてご紹介させていただきます。
〇ガイナ塗料の強度
「ガイナ塗料」を塗った時の強度は主に「熱」「紫外線」「結露」「騒音」「火」に対して強さを発揮することができる塗料です。
「熱」に関しては「ガイナ塗料」を建物の屋根、外壁に塗ると太陽熱を効率的に反射、また吸収した太陽熱も効果的に逃がすことが可能です。
「紫外線」に関しては、「ガイナ塗料」が「紫外線」の光を屈折させることに効果があり、「紫外線」の影響を95%も反射させることができます。
「結露」に関しては、「ガイナ塗料」が断熱性能を発揮することから温度差が抑制され、結果「結露」ができにくくなります。
「騒音」に関しては、「ガイナ塗料」が音を反射したり、音の振動を抑えることができることから、音の侵入や漏れを低減できます。
「火」に関しては、「ガイナ塗料」は国土交通省大臣から不燃性能に関して最上級である「不燃材料」の認定を受けています。
「ガイナ塗料」は過酷な宇宙空間に対応できる製品であることから、様々なシーンで強度を発揮することが可能です。
〇ガイナ塗料の耐用年数
「ガイナ塗料」は一般的な塗料と比べると約1.5~2倍は耐用年数が期待できるといわれています。
「ガイナ塗料」の耐用年数はおおよそ15年ほどといわれ、フッ素塗料と同じくらいもつのではないかという報告もあります。
〇ガイナ塗料の耐久性
「ガイナ塗料」は特に紫外線に対する耐久性が高く、一般的な塗料と比較すると2〜3倍の耐久性があるのではといわれています。
「ガイナ塗料」は紫外線の強い光から建物を守ってくれる強い塗料ということができます。
ガイナ塗料の評判・評価
こちらではガイナ塗料の良い評判・評価と悪い評判・評価についてご紹介させていただきます。
〇ガイナ塗料の良い評判・評価
「ガイナ塗料」を使った多くの方から特に多い良い評判・評価は「ガイナ塗料の断熱効果は本物だ」というご意見です。
断熱効果というと外からの熱の侵入が一般的には考えられますが、室内の熱の放出も大いに関係してきます。「ガイナ塗料」を建物の内外に塗ることで断熱材を入れた様な効果があり、快適な温度のまま過ごすことができます。
また塗装であるにもかかわらず、吸音・防音効果も高いことが評価されています。「ガイナ塗料」を使うと外部の騒音は室内に聞こえず、また室内の音は外部に漏れにくいのでプライベートを重視される方からは大変評判が良いといわれています。
〇ガイナ塗料の悪い評判・評価
「ガイナ塗料」の悪い評判はどちらかというとご利用者様よりも塗装業者に多いといわれています。その理由は「ガイナ塗料」が塗りにくい塗料であると塗装業者が思っているからです。
「ガイナ塗料」は使い方にコツがあり、ある程度研修を受けなければ扱い方が難しいところがあります。ただし扱いが適切であれば、仕上がりと効果は他の塗料に劣ることはありません。
ご利用者様からの「ガイナ塗料」に関する悪い評判は濃い色を選べないことです。断熱の関係からできるだけ薄い色が多く開発されています。
また「ガイナ塗料」の悪い評判の極めつけは値段の高さです。一般的な塗料である「シリコン塗料」の約1.5倍はかかるといわれています。
ガイナ塗料の価格・相場
「ガイナ塗料」は建坪30坪の戸建て2階建てで、おおよそ120万円~160万円はかかるといわれています。
坪単価は5万円ほどかかります。
ちなみにこれらは足場代と屋根と外壁塗装を全て含んだ金額になります。同じ条件の「シリコン塗料」では90~100万円ほどで可能です。
また内装の場合、6~8畳の部屋で天井と内壁を塗装すると20万円前後になるといわれています。
「ガイナ塗料」はお高いと思われて間違いありません。仮に塗装業者がお安くできるといっても
建坪30坪の戸建て2階建ての家であれば、最低でも120万円はかかると思われてください。
逆にそれよりもお安く見積もりを提案されている時は、技術がともなっていないか、他の塗料の可能性が考えられます。
ガイナ塗料のメリットとデメリット
こちらではガイナ塗料のそれぞれのメリットとデメリットについてご紹介させていただきます。
〇ガイナ塗料のメリット
- 断熱効果が高い
- 遮熱効果がある
- 防露効果が期待できる
- 吸音・防音効果ある
- 一般的な塗料に比べると耐久性が高い
- 水性塗料であることから、安全性が高い
- マイナスイオンが高い室内環境になる
- 弾性塗膜効果があることから亀裂ができにくい
- シンナー臭を感じない
- 湿気を通すことから除菌効果がある
- 約200種類のカラーに対応できる
- 断熱塗料ではシェアナンバー1
〇ガイナ塗料のデメリット
- コストが高い
- ピカピカとしたツヤがある仕上がりが期待できない
- 塗膜面に細かいデコボコができてしまう
- 濃い色が基本的に造れない
- 注文してからの納期がかかる
- 親水効果は良し悪しが激しい
- 使用期限が未開封でも3か月しかもたない
「ガイナ塗料」のメリットは「断熱効果」や「遮熱効果」など様々なことに関して期待ができることです。
ただし「ガイナ塗料」の扱いは難しく、研修を受けてしかもかなりの現場経験をこなした塗装業者でなければ思ったほどの効果は期待できません。
またお値段が高く、他の塗料以上に気軽に塗装工事を依頼にくいということがあります。
ガイナ塗料はどんな人に向いているか
「ガイナ塗料」が向いている方は、「熱」「紫外線」「結露」「騒音」などの外部からのストレスを遮断して欲しいと考えている方です。
「ガイナ塗料」は期待される効果に対してきちんと結果を出せる塗料なので、本気で外部から発生するトラブルを軽減したいと思っている方にはぜひおすすめの塗料といえます。